二夜連続、BS1ドキュメンタリーを観る

2005年、ジョブズのスピーチを卒業式で聞いたスタンフォード大の卒業生たちの
今を映したドキュメンタリー。
●ドキュメンタリーWAVE 「スティーブ・ジョブズの子どもたち〜ハングリーであれ愚かであれ」


ジョブズのスピーチ映像はこちら↓


当時、アメリカはまだ好景気の真っただ中にあり、
誰もが既存のビジネスモデルの上に既存の幸せのレールがあると信じて疑わなかった頃。
この卒業生たちも、卒業後大手金融企業やIT企業、新聞社などに就職し、エリート街道をひた走っていた。


しかし、数年後、そこで働く自分に疑問を感じて退職し起業した者、
2008年の不況で解雇されたものなど、皆卒業時に描いた未来とは別の道を歩んでいた。
全ての人に共通していたのは、以前は「成功」だと思っていた職業と違う道に進んでいるということ。
望んでそう進んだ者もいれば、望まずして社会の潮流にのまれてしまった者もいる。



それぞれに栄光と挫折を味わいながら、それぞれがジョブズの語った言葉を受け止め前に進む。



挫折を経験し自分が無力だと感じた者は、ジョブズの解雇体験時の言葉に共感し、励まされていた。
グーグルに入社するも違和感を感じ続けて辞めた者は、死を目の前にした時のジョブズの言葉に心を突き動かされた。
ジョブズと同じような境遇で育ったものは、挫折も栄光も自分の経験の全てがいつか線でつながるという
ジョブズの点と点の話に救われた。



何より素晴らしかったのは、映し出された彼ら全員が、ジョブズのスピーチを聞き、
何かの形で人や社会のためになる仕事をしようとしている姿だった。
アメリカンドリームの象徴のようなスティーブ・ジョブズのスピーチは、
決して拝金主義を煽るものでも、下手にいわゆる「成功」を夢見させるものでもなかった。
一人の人間として、これまでに歩んだ挫折や諦めない姿勢や、愛の大切さを語ったものだった。
挫折や死を感じた彼だからこそ語れる言葉であり、
成功者と称される人物がこのような内容のスピーチをしたことが最も意義深いことだと思う。
アップル製品の随所に、ユーザーへの思いやりが感じられる理由が分かった気がした。
ジョブズは、学生たちそれぞれに自分の人生を思い切り生きてほしいって言ってたけど、
結局それを聞いた学生たちが求めた先が社会や家族を大切にすることだったっていうところに、
人間やこれからの世界の可能性を感じる。



アメリカの今の状況と、日本やほかの世界各国も抱えている問題は同じである。
日本の若者も将来への不安を抱えながらも、皆と同じように就活戦線に進んで、
内定が得られず卒業する学生も多い。


けど、最近思うのが、30代〜40代くらいの人たちの働き方が、
本当に多様化していて結構好きなことをしながら、既存のビジネスの中に
不足していた新しい風をふかせているような気がする。
やっぱり発信力が強いから、東京が目立つけど、地方でも結構いると思う。


私の周りの大人たちも、地域のためや社会のために、「自分」発信で活動してる人
結構たくさんいる。
あちこちのローカルにそんな大人がたくさん増えていくことで、
今より住みやすい社会になるんじゃないかなと思う。


グローバルに動くダイナミックな社会の中にある無数のローカルに、
人が身を寄せ合い、愛し合い、手を取り合って
それぞれのhungryさとfoolishさで、妥協せず生きていくことが大事なんじゃないかなぁと。



ジョブズの言葉を胸に、私も頑張ろうと思う。まだ方向性は定まってないけど・・・
アメリカの若者も、世界の若者も、日本の若者もみんな頑張ってるんだから。
私たちで、いい社会を作っていきたい。